今日の日経新聞ピックアップ(2022/6/21)
- 洋上風力バトル1
「三菱商事総取りを許すな」
・「1社(三菱商事)独占は無しにしましょう」。公募延期とルール変更を達成した、さながら祝勝会のようだった。
・日本で洋上風力の歴史が幕を開けたのは19年4月。政府が「再エネ海域利用法」を施行し、事業者が一般海域を30年間占有できる環境を整えた。40年までに最大4500万キロワットをつくる。原子力発電所45基分に相当する巨大事業だ。
・初の大規模案件の公募となる3区域の入札で三菱商事が示したのは1キロワット時11~16円台。2番手以下より約3割低く、政府が設けた29円という上限価格を大きく下回る驚きの低価格だった。
・国際再生可能エネルギー機関は、世界の洋上風力の発電能力は18年の2300万キロワットから30年には2億2800万キロワットに育つとみる。21年の新設量は中国だけで世界全体の8割を占めた。風車製造では中国勢と欧州勢がしのぎを削る。日本が市場育成に手間取るほど、世界の潮流から遠のく。 - 設備投資回復、25%増 今年度本社調査
脱炭素や半導体、前年度の積み残し消化も 供給制約が実現左右
・日本経済新聞社がまとめた2022年度の設備投資動向調査で、全産業の計画額は前年度実績比25%増える見通しだ。伸び率は1973年度以来の高水準で投資額は07年度に次ぎ過去2番目に多い。サプライチェーン(供給網)の混乱などで21年度に積み残した投資を挽回する動きが底上げする。脱炭素などへの投資が目立つが、部材の供給制約が長引けば、計画が下振れする可能性がある。
・22年度の設備投資の総額は28兆6602億円と3年ぶりに増加し、過去最高だった07年度(28兆9779億円)に迫る。増加率も調査を始めた73年度(26.2%)以来の高水準となる。
・製造業では電気自動車(EV)向けの需要拡大や半導体の世界的な逼迫などを受け、投資額は17兆4975億円と27.7%増となる計画だ。新型コロナウイルス禍で打撃を受けた小売りやサービスなどの非製造業でも、先送りしていた投資の再開を目指す動きが出ており、20.8%増の11兆1626億円となる。