今日の日経新聞ピックアップ(2022/6/8)

  1. 人への投資、世界水準遠く 骨太方針決定
    3年で4000億円、成長へ生産性向上急務
    政府は7日、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針※)を閣議決定した。岸田文雄首相が掲げる「人への投資」に重点を置き、3年間で4千億円を投じる。付加価値を生み出せる人材の育成が成長のカギを握る。現状では日本の投資は官民とも先進国で最低水準。先を行く世界との差を埋めるのは容易ではない。
    社会人のリスキリング(学び直し)、デジタルなど成長分野への労働移動、兼業・副業の促進、生涯教育の環境整備などが主な課題になる。デジタルスキルは職業訓練の講座の割合を今の2割程度から3割超に高める。転職が容易になるよう外部の専門家と相談しやすい体制も整備する。
    骨太方針は既存の政策の延長線上にあるように映るメニューも多い。今後、企業の競争力や日本の成長力を高める実効的な具体策を打ち出せるかが問われる。労働移動の加速には投資を手厚くするのと同時に硬直的な雇用システムの見直しを官民で進める必要もある。
    ※正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」で、骨太の方針は通称。政権として力を注ぐ課題や政策の方向を示し、年末にかけての予算編成の土台にもなる。首相が議長の経済財政諮問会議で策定作業を進め、毎年6月ごろに閣議決定する。
  2. 「迫真」副業2.0(3) 閉じた教育界に新風
    幼稚園から短大まである新渡戸文化学園に勤めて3年目の教師は、塾講師という別の顔を持つ。毎週金曜日は学校に来ない。加藤の働き方に合わせ、現在担当する小学1年生では「チーム担任制」を採用。2クラスを同僚と3人で受け持ち、合間に生徒の状況を密に情報交換する。同校では教職員60人のうち、副業先生が半数以上を占める。多様な経験を持つ教員たちにより、先進的な授業も次々誕生する。
    先生の副業は閉鎖的な教育界にとって起爆剤になりつつある。

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