Tokyo Innovation Base(東京イノベーションベース)

都、スタートアップ支援拠点 来年度立ち上げ
VCや大企業同居 出資・協業を活発化

(日経新聞 2023/05/16 朝刊記事)

東京都は2024年度、国内外のベンチャーキャピタル(VC)や企業、大学、行政が創業間もない企業を支援する拠点「Tokyo Innovation Base(東京イノベーションベース)」を立ち上げる。モビリティーやバイオ、航空宇宙などのスタートアップへの出資や協業を活発化し、アジアの一大スタートアップ拠点を目指す。

開業に向け規模や立地、運営方式などについて検討を進めている。東京イノベーションベースには出資や事業計画の立案支援、共同開発などでスタートアップを支援する関係者が集結する。スタートアップの成長に必要なあらゆる要素を「1カ所で解決できる場所」を目指す。

<日経新聞 2023/05/16 朝刊記事>

日本は事業化の見通しが立つ前の技術や創業間もない事業への投資額が少なく、都はこうした状況がスタートアップ市場の成長を阻害しているとみている。米調査会社のスタートアップ・ゲノムが発表した22年のグローバルスタートアップ・エコシステムランキングで東京は12位だった。アジアの中でも北京(5位)、上海(8位)、ソウル(10位)より下位に位置する。

「呼び水」となる出資や協業を通じ、優れた技術やアイデアの商品化や海外進出を後押しする。支援先は創業間もない「アーリー期」以前や都市課題解決につながる事業に取り組むスタートアップ企業、支援期間も事前に区切って限定する。

東京イノベーションベースはフロアやエリアを各先端分野ごとに分け、それぞれにVCなどの同居を予定する。関連企業やVCが同じ場で仕事をすることで新規事業を生み出す狙い。

モデルとするのはフランスのスタートアップコミュニティー「StationF」。StationFは約1000社のスタートアップが所属し30以上の支援プログラムを提供する。仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンや米マイクロソフトなども参画し、多くのユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)を輩出してきた。

グローバル市場への進出を後押しするため、日本貿易振興機構(JETRO)や国と連携して海外VCやアクセラレーターを誘致しスタートアップに資金供給を受け入れる体制の構築も目指す。また法人税と所得税がゼロの「国際フリーゾーン」や海外高度人材のビザ発行条件を緩和する特区提案などを国に働きかけ、最終的にグローバルに活躍する企業を次々と誕生させるアジアのスタートアップ拠点を目指す。

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