新規ユニコーンの苦難時代
記事にある日本のユニコーン企業6社は、2023年2月時点で以下と思われる。
Preffered Networks | 機械学習・深層学習の研究と実用化 |
スマートニュース | ニュースアプリ「SmartNews」運営 |
SmartHR | SaaS型クラウド人事労務ソフト提供 |
Spiber | 新世代バイオ素材の開発 |
Playco | インスタントプレイゲームの開発 |
Opn | オンライン決済などフィンテック事業 |
新規ユニコーン、10分の1に急減
1~3月、マネー流入細る
(日経新聞 2023/04/24 朝刊記事)
世界のスタートアップの成長にブレーキがかかっている。米調査会社CBインサイツによると、1~3月に誕生したユニコーンは13社と前年同期の10分の1に減った。四半期ベースで6年ぶりの少なさだ。
イノベーション(技術革新)をけん引するスタートアップの減速は産業や経済の新陳代謝の遅れにつながる可能性がある。
近年のスタートアップは世界的な金融緩和の恩恵を受けてきた。ユニコーンは2022年3月末に1095社と1年間で65%増えた。ここ1年は米欧の利上げや景気減速が逆風となり、23年3月末時点では1206社と10%増にとどまる。
1~3月にユニコーンになった13社の業種をみると、人工知能(AI)関連が最多の4社を占めた。対話型AIを開発する米アンスロピックや、AIを使ったオンライン翻訳サービスを手掛けるドイツのディープエルなどが加わった。地域別では米国が8社と最も多かったが、前年同期(79社)の10分の1に落ち込んだ。
急減の主因は投資マネーの減少だ。1~3月のスタートアップの資金調達額は586億ドル(約7兆8000億円)と前年同期に比べ6割減。1回の調達額が1億ドル以上の「メガラウンド」は90件と8割近く減った。
ユニコーン 米が過半、日本6社どまり
▽…企業価値が10億ドル(約1340億円)以上の未上場企業を指す。空想上の一角獣「ユニコーン」が名前の由来で、極めて珍しい存在であることを示す。米調査会社のCBインサイツによると、3月末時点では世界に1206社。なかでも同100億ドル以上は「デカコーン」、同1000億ドル以上は「ヘクトコーン」と呼ばれる。
▽…ユニコーン数はスタートアップを育て、産業全体の新陳代謝を進める力があるかを測る指標としても注目される。国・地域別では米国が654社と最も多く、中国(169社)やインド(約70社)が続く。日本は人工知能(AI)開発のプリファードネットワークス(東京・千代田)をはじめとする6社にとどまる。
▽…革新的な技術やサービスを生み出そうと、各国が有望スタートアップの育成を競っている。日本政府は2022年に「スタートアップ育成5カ年計画」を打ち出し、ユニコーン100社の創出を目標に掲げている。