再エネ比率 目標達成に風力がカギ
風力の大幅増が必要に
政府、30年度に再生エネ36~38%目標
(日経新聞 2023/02/17 朝刊記事)
日本の発電量に占める再生可能エネルギーの比率は2021年度に20%を超えた。政府は30年度に再生エネの比率を36~38%まで引き上げ、50年には温暖化ガスの排出を実質ゼロにする目標を掲げる。
達成には太陽光発電に加えて風力発電も大幅に増やす必要がある。いまの風力の発電電力量は太陽光のおよそ10分の1にとどまる。陸上風力が中心で、世界の主流になった洋上風力の導入事例はほとんどない。
土地の制約などを考えれば海上を使った洋上風力は有力な選択肢だ。日本は遠浅の海が少ない。50年の脱炭素に向けては、発電設備を海に浮かせる「浮体式洋上風力発電」が欠かせない。
太陽光発電を巡ってもパネルが設置できる場所が限られてくる。車の天板や建物の壁面などに貼れる「ペロブスカイト太陽電池」の実用化を求める声は多い。
「国産再エネ議連」は設立趣意書でこれらの導入拡大を訴え産業育成も掲げた。太陽光パネルには中国製に席巻された。風力も欧州や中国メーカーがリードする。
国際環境経済研究所理事の竹内純子氏は「成長戦略として官民歩調を合わせた取り組みが求められる」と話す。
東京大学未来ビジョン研究センター教授の高村ゆかり氏は「国のトップにいる首相が先導することで政策の後押しが特に期待できる」と語った。