スタートアップ集まれ! 東京都、都市課題解決へプロジェクト
今日の日経新聞ピックアップ(2023/1/26)
東京都がスタートアップの技術や発想を結集し、環境や医療、防災など都市の課題解決を探るプロジェクトに着手する。縦割りを排し、大規模拠点を都内に設けて都が最初の題客になれる事業を発掘、育成する。地域発の起業促進モデルを確立し、先進国の中でも遅れを指摘される日本の開業率向上へ突破口を聞くのが狙いだ。並行して情報発信も強化。国際イベント開催を通じて「住み続けられる真の国際都市」を目指す姿を内外にアピールする。
目玉は約25億円を投じて2024年度に開設するスタートアップ支援拠点「Tokyo Innovation Base」。ビ ジネス共創へ内外のベンチャー キャビタル(VC)やアクセラレーターと呼ばれる起業家育成組織、大学、企業などが一堂に集ま れる施設だ。先行して23年度には100億円規模の大学発ベンチャー向け官民連携ファンドを設立し、日本貿易振興機構(ジェトロ)と組み海外のVC ・ア クセラレーターも誘致する。
これらを通じ、風水害や大規模地震に備える防災対第、インフラ老朽化対策などにスタートアップの技術力を取り入れる官民協働事業を5年で10倍にする。企業にとって医療や介護、教育、上・下水道などの事業参画は成長要因だが、軌道に乗るまでは経営的に厳しい期間が続くため、都が「ファース トカスタマー(最初の顧客)」となって後押しする仕組みだ。
一連の施策は政策企画局に担 当局長以ド25人のチームを置き「ワンストップ」で展開する。 都は30超の企業支援策を進めているが、担当部局が縦割りだっ た反省から関連施策を一覧でき るカオスマップを作成。担当所管を整理して22年9月に新チームを発足させた。
スタートアップのアイデアと 技術力で都市課理解決へのイノ ベーションを起こし、暮らしや すい東京をアピールする。その ためにスタートアップ支援と両輪で情報発信も進める。