今日の日経新聞ピックアップ(2022/12/22)

  1. 来年度予算案、GX債で1.6兆円
    114兆円台へ調整大詰め 社会保障費4100億円増加 地方交通網の整備支援

    政府は過去最大の一般会計総額114兆円台となる2023年度予算案の最終調整に入った。21日の閣僚折衝では、企業の脱炭素を後押しする「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債」を最大1.6兆円発行することで合意。社会保障費の伸びを実質4100億円程度とした。23日にも閣議決定する。
    政府は2050年までに温暖化ガスの排出を実質ゼロにする目標をかかげる。実現には今後10年で、官民で150兆円以上の脱炭素投資が必要とみる。うち20兆円規模は政府支出で企業を支援し、民間投資の呼び水とする。財源をGX移行債の発行で調達する。
    ・鈴木俊一財務相と西村康稔経済産業相は23年度のGX関連支出を4887億円とすることで合意した。石炭の代わりに水素を使う「水素還元製鉄」の実証事業などにあてる。経産省所管の特別会計で管理する。一般会計と区分し、歳出入を明確にする。
    GX移行債は将来の歳入確保を前提に、特会から発行する「つなぎ国債」とする。企業の二酸化炭素(CO2)排出に課金して削減を促すカーボンプライシングを段階的に導入し、償還財源とする。50年までに償還を終える。
    ・政府は22年度の第2次補正予算に計上した関連経費のうち、約1.1兆円をGX予算20兆円の内数とした。1.1兆円は一般会計での歳出のため、償還が1年未満の短期債で原資をまかなったとみなしてGX移行債に振り替える。特別会計分の4887億円分と合わせて発行する。
    ・発行に向けて国際認証の取得もめざす。22日に開く政府の「GX実行会議」で取得方針を打ち出す。実現すれば、日本の国債では初めてとなる。市場での資金調達を進めやすくなるとみる。財務省は10年債や20年債での発行を検討する。
    ・一般会計歳出の3割を占める社会保障費は、鈴木氏と加藤勝信厚生労働相が前年度からの伸びを4100億円とすることでまとまった。今夏の概算要求で高齢化による自然増の上限とした約5600億円から圧縮した。薬の公定価格(薬価)の引き下げで約700億円を捻出する。
    ・厚労省が所管する病院運営の2つの独立行政法人にたまる約1500億円の積立金のうち、746億円を本来の規定よりも前倒しで国庫返納することでも折り合った。防衛費増額の財源にあてる。
    ・斉藤鉄夫国土交通相とは赤字に陥る公共交通網の支援策をまとめた。道路整備などを支援する自治体向けの「社会資本整備総合交付金」の対象に、ローカル鉄道や路線バスを加える。鉄道の駅や線路設備の整備、バス路線の再編に対して原則半額を補助する。
    ・路線バスについては、これとは別に3~5年などの複数年で事業費を支援する仕組みもつくる。従来は単年度の赤字補填だった。公共交通機関の運営業者は新型コロナウイルス禍以降の利用減に直面し、国の財政支援が焦点となっていた。

    「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債」とは、10年間で約150兆円を調達する方法
     参考Webページ

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