脱炭素スタートアップ"のみ" 資金調達好調

GX関連の有望企業電池メーカー :ノースボルト(スウェーデン)

水素テック分野        :モノリス・マテリアルズ(USA)

脱炭素テック分野       :クライムワークス(スイス)

スタートアップ、GXけん引
水素・脱炭素、昨年の資金調達2倍

(日経新聞 2023/02/28 朝刊記事)

<日経新聞 2023/02/28 朝刊記事>

脱炭素関連技術を手掛けるスタートアップへの資金流入が世界で増えている。「水素」や炭素回収など「脱炭素」分野の企業の調達額は2022年に21年比で倍増した。スタートアップ全体では減少しており、好調が際立つ。各国が温暖化ガス排出削減を急ぐなか、大企業だけでなくスタートアップもGX(グリーントランスフォーメーション)のけん引役になるとの期待が高まっている。

日本経済新聞社の専門メディア「NIKKEI GX」は米調査会社CBインサイツのデータをもとに、資金調達額が大きい脱炭素関連の世界の有望企業約200社を「GX Unicorn」としてリスト化した。企業価値10億ドル(約1300億円)以上の「ユニコーン」やその有力候補をまとめた。

調査は4つの技術分野を対象にした。「水素テック」の22年の資金調達額は36億ドル、炭素回収など「脱炭素テック」は37億ドルといずれも21年に比べて2倍になった。「再生可能エネルギー」は2%増の99億ドル。「エネルギー貯蔵(電池関連)」の調達額は4分野で最も多い180億ドルだったが、21年比では1割強減った。

一方、スタートアップ全体でみると、世界的な金利上昇の影響などで調達額は4151億ドルと35%減っている。

GX関連の有望企業の代表格がスウェーデンの電池メーカー、ノースボルトだ。株主でもある独フォルクスワーゲンなどを顧客に持ち、70億ドル以上を調達して量産を始めている。

水素テック分野では、米モノリス・マテリアルズが22年7月に米投資ファンドのTPGなどから約3億ドルを調達し、累計では16.5億ドルになった。天然ガスに含まれるメタンを熱分解して水素を生成する技術を持つ。製造工程で二酸化炭素(CO2)を出さないのが特徴だ。

脱炭素テックでは、米マイクロソフトを株主に持つスイスのクライムワークスが22年4月に6億ドル超を調達した。空気中のCO2を回収する「ダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)」技術を手掛ける。

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