今日の日経新聞ピックアップ(2022/9/20)

  1. きょうのことばEVの給電インフラ 無線技術、産学連携で研究
    ・電気自動車(EV)の普及には、走行中に電池切れになる懸念を払拭する給電インフラの整備が不可欠になる。ただ、調査会社の富士経済(東京・中央)によると、普通充電器や急速充電器など従来型給電インフラの国内導入実績は2021年時点で約3万7000台。中国(約135万台)や米国(約10万台)に大きく水をあけられている。国は公共充電スタンドを30年に15万基と、22年3月末時点の約5倍に増やす目標を掲げている。
    ・停車中や走行中の無線給電が普及すれば、EVに大容量バッテリーを搭載しなくてもよくなる。EVの小型化やコスト削減にもつながるとみられる。
    ・走行中のEVへの無線給電を巡っては、東京大学やブリヂストンなども産学連携で研究を進めている。海外ではイスラエルのエレクトレオンが実証実験に取り組んでいる。富士経済は主要17カ国のEVに搭載される非接触充電機器が35年に約490万台と、21年の約420倍に急増すると試算する。
  2. 迫真Web3 熱狂と不信1 野村証券は悩んでいる
    ・株式の引き受けや新規株式公開など、「株式会社」とともに成長してきた証券会社の事業モデルは今後も続くのか。答えを迫られた野村は株式とトークンを組み合わせた資金調達支援に乗り出す。執行役員の池田肇は言う。「トークンの世界を理解するのは時間がかかる。だが触っておかないと気付いた時には市場の変化に取り残されているかもしれない」
    ・1990年代に離陸したネットは、利用者が「見るだけ」のWeb1.0SNS(交流サイト)などで「自ら発信する」Web2.0へと進化したが、米GAFAなどにデータや利益が集中するようになった。
    Web3では無数の個人コンピューターに分散してデータを保存・管理する。巨大プラットフォーマーによる中央集権的な構造から分散型に変わる。事業ごとに人が集まり、資産を購入したり報酬を受け取ったりする仕組みを作れる。取引所や銀行を経由しない分散型金融DeFi、メタバースなど新たなビジネスが芽吹き始めている
    ・時代は一直線で進むわけではない。
    ・テックの大物経営者も懐疑的だ。「Web3を支配しているのはベンチャーキャピタルだ。別の中央集権的な存在だ」。ツイッター創業者のジャック・ドーシーが21年末に投稿すると、米テスラ創業者のイーロン・マスクも乗っかった。「誰かWeb3を見たか? 見つからないんだ」
    ・新技術や思想は懐疑の目を向けられながら育つ宿命にある。熱狂と不信が交錯するWeb3は、その混沌の中にある。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です