今日の日経新聞ピックアップ(2022/6/29)

  1. 世界の株式調達、19年ぶり低水準 1~6月
    米企業8割減、中国下回る

    ・企業による株式市場での資金調達が急減速している。
    ・1~6月の世界の株式での資金調達は9日時点で1964億ドルとなり、前年同期比約7割減。同期間としてはITバブル崩壊後の03年の1324億ドル以来の少なさ。<金融情報会社リフィニティブ
    ・目を引くのが米国企業による資金調達の減少。調達額は約300億ドルと前年の6分の1以下。21年に市場を席巻した特別買収目的会社(SPAC)の減少が目立つ。1~3月に上場したSPACの調達額は前年同期比9割減。<米ピッチブック
    ・株式相場が大きく下げているのは、米連邦準備理事会(FRB)を中心とした各国の急な金融引き締めによる。景気の先行き不透明感も強まり「企業が設備投資やM&Aを先送りしたことで増資も減った」
    一方で底堅いのが中国企業。調達額は約700億ドルと6割ほど減だが、8割減の米欧、7割減の日本に比べ減少幅は小さい。調達額は米国の2倍となり、データを遡れる1990年以降で初めて逆転した。
  2. 電力、太陽光・節電頼み 東電管内は逼迫注意報を継続
    太陽光、好天で150万キロワット上振れ/節電、企業協力で30万キロワット抑制

    ・目下の電力不足は節電太陽光発電の出力増で補っており、電力会社は停止中の火力発電所の稼働を急ぐ。
    ・27日の電力需要はピークの午後1時に5254万キロワットだった。太陽光はこの3割弱をまかなった。よく晴れたこの日は出力が想定を150万キロワット上振れし、出力が下がる午後4時前後にも1割程度の電力を太陽光が供給した。予備率を3%分ほど改善させる効果があった。
    ・東電は東北電などから最大164万キロワットの電力融通も受けた。
    ・一方で冬の電力は不安が大きい。雪が降ると太陽光発電が期待できないためだ。首都圏で電力需給が逼迫した3月22日は、電力需要が最も大きかった午後1時台に供給に占める太陽光発電の比率は数%にとどまった
    ・そもそも日本の電力は供給が細っている。原子力発電所は稼働を申請した27基のうち17基が審査に合格したが、再稼働できたのは10基にとどまる。現時点でこの冬に新たに動く原発はない。
    ・西日本から東電管内に電気を送る送電線が増強されるのは27年度からの予定で、現時点では能力が足りない。火力発電所は新設より廃止の方が多く、経産省によると21年度までの5年間で差し引き439万キロワットが減った。31年度までの10年間ではさらに2100万キロワットが減る見通しという。
    ・脱炭素の目標達成には、再生可能エネルギーの拡大が必須だ。それを前提としたうえで、電力の安定供給を担う原発や火力発電をどう位置づけ、投資を進めていくかの議論をしていく必要がある。

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