今日の日経新聞ピックアップ(2022/6/14)

  1. 京阪神「バレー」構築 京大など41機関、起業数2倍狙う
    ・京阪神エリアの産学官が一丸となり、スタートアップの創出に弾みをつける。京都のバイオや大阪のものづくり、神戸の医療機器といった各地域の強みを生かし、スタートアップが集積する新たな「バレー」の構築を目指す。
    起業支援組織「京阪神スタートアップアカデミア・コアリション(KSAC)」が旗振り役を担う。20~24年度の5年間に、大学発スタートアップで従来の約2倍となる214社の創出を狙う
    ・活動の目玉の一つとして4月、起業を志望する人材と大学の研究者を仲介する枠組み「ECP-KANSAI」を立ち上げた。従来の人材マッチングは起業志望者が「起業のタネ」になる研究成果を探すことが多い。ECP-KANSAIでは各大学が音頭を取って研究者からも研究成果を売り込んでもらい、双方向のやり取りを起業につなげる点が特徴。
    ・KSACが参考にしたのは京大系ベンチャーキャピタル(VC)、京都大学イノベーションキャピタル(京都iCAP、京都市)の取り組みだ。17年に双方向型の仲介プラットフォームを設立、京大発の技術をビジネスに結び付けてきた。




    ・京阪神にとって起業都市としての地位向上は喫緊の課題だ。20年7月、東京と愛知、福岡の3都市圏とともに、国がスタートアップを重点支援する「グローバル拠点都市」に選ばれた。だが、機運醸成は盛り上がりを欠いてきた。
    ・巻き返しのためには各地の特徴を生かすことがカギになる。京都はiPS細胞を中心とするバイオ系に強く、町工場が集まる大阪はものづくりスタートアップを下支えする環境が整う。人工島・ポートアイランドで医療産業都市をうたう神戸は医療機器開発を後押しする制度が充実している。
    ・優れた技術に京阪神それぞれの強みを組み合わせてスタートアップを創出し、その企業が地域に根付いて大きなビジネスを展開する。この循環がうまく回り出せば、新たな「バレー」の完成像が見えてくる。

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